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どうも、卜部です。いきなり冬が来てしまい急に寒くなってきましたね~。今年も残すところあと1ヶ月!大掃除や年賀状の準備など、来年に向けてやり残したことのないよう師走を迎えたいですね。

ところで、先日11月21日は 『インターネット記念日』であると知っていましたか?インターネット記念日は、1969年11月21日にインターネットの元型となる「ARPANET(高等研究計画局ネットワーク)」の公開実験が行われたのが由来となっています。インターネットの普及により生活が便利になった一方、最近はネット上のトラブルも増えていますよね。そこで今回は、いつもの“近隣トラブル”とはひと味違った、現代に潜む“インターネット上のトラブル”のお話をしたいと思います!この記事がネットへの向き合い方を今一度考えるきっかけになったら嬉しいです。

 

目次

一時の感情が取り返しのつかない結果を招く!大切なのはネットリテラシー

  共感の多さが快感となってエスカレート?現代社会と承認欲求

③“思い込み”から始まるインターネット上のトラブル!ネットと上手く付き合う秘訣とは

 

 

一時の感情が取り返しのつかない結果を招く!大切なのはネットリテラシー

■事例:某IT企業サービスによる悪評の被害者の会


2024年4月、某社が提供するインターネット地図サービスのクチコミ欄でマイナスな意見が投稿された。その後、某社がそれを放置したことにより営業権が侵害されたと、全国約60の医師や医療法人が損害賠償を求めた。クチコミ欄には「頭がいかれている」「人間扱いされなかった」などといったクチコミが書き込まれたが、事実と異なる内容が記されていたことに加え、個人の特定にコストと時間を要することから、本件では某社が被告として訴えられた。

これに対し、某社は「不正確な内容や誤解を招く内容を減らすよう努めており、不正なレビューは削除している」「今回の訴訟についてはコメントを控える」と回答した。

ともすればたった一人のクチコミから悪評が広がり、営業妨害になるほどの影響が出てしまうのがインターネットの怖さです。

運営側である某社は今回の訴訟について「不正なレビューは削除している」と発表していますが、“不正なレビュー”か“正当なレビューか”の判断基準は不明確であり、判断には第三者や専門的な視点が必要となってくるでしょう。

人は自分にとって都合の良い情報を信じる傾向にあり、一度マイナスなイメージがついてしまうと取り返しがつきません。自由に書き込みができる現代において、ネット上には嫌がらせやいたずらのような悪質なものも増えており、書き込みひとつで人を害することも容易にできてしまいます。

思ったことを気軽に書き込んだり、悪い口コミを拡散したりすることで、ネット上では誰もが加害者となる可能性があります。

このようなネット上のトラブルに巻き込まれないために、今や情報の取捨選択は必要不可欠です。明日はわが身の意識を持って、ひとりひとりが改めて、その時代に則したネットリテラシーを身に付けておく必要があるでしょう。

 

 

共感の多さが快感となってエスカレート?現代社会と承認欲求

■事例:女性ジャーナリストの性暴力被害に関するリツイート問題


2015年、女性ジャーナリストが元記者の男性から性暴力被害を受けたことを告発したが、2017年に加害者の男性が不起訴となった。本件に関して、第三者である漫画家AがX(旧Twitter)上で事実と異なる内容の投稿をし、被害者の女性に対する誹謗中傷騒動に発展。漫画家Aの投稿では、「(女性ジャーナリストが)性被害を受けたという申告は虚偽であった」とされていた。

本件では、誹謗中傷の投稿をした漫画家Aだけでなく、その投稿を“リツイート”した人物たちも訴訟の対象となった。東京高裁は、投稿はもとよりリツイートした人たちも投稿内容に同意したとみなされることから名誉毀損に当たるとし、漫画家Aたちに対して賠償命令を下した。

このように、投稿者だけでなくリツイートによって投稿を拡散した人も同罪となるケースは少なくありません。それは「リツイート=元ツイートへの賛同」と解釈されるためです。

SNS利用者の中には、共感や賛同目的で日々投稿をしている人もいると思います。自分がSNSで発した情報に対して“いいね”や“リツイート”のリアクションが増えてくると、それがまるで自分を肯定してくれているかのような快感が得られ、たとえ投稿内容が誰かに対する誹謗中傷であったとしても、承認欲求を得たいがために発信をやめられなくなってしまうケースも多いです。

しかし、特定の人物への誹謗中傷は刑事罰の対象となる可能性が高く、名誉棄損や侮辱罪に該当します。SNSを利用する際は、自分が投稿しようとしている内容が及ぼす影響まで考えて、その場の感情に流されることのないようにしましょう。

 

 

“思い込み”から始まるインターネット上のトラブル!ネットと上手く付き合う秘訣とは

今回挙げた誹謗中傷に関する2つの事例は、いずれも投稿者が事実とは異なる内容を世間に発信し、その内容を鵜吞みにした人たちがリツイートなどで拡散したことが問題でした。
その大元の原因は、事実かどうかを確認せずに投稿者の主観で発信してしまった点にあります。

卜部は仕事柄、人から相談をうかがう機会が多いのですが、「騒音が聞こえてくるような気がしている」「いつもうるさい音を立てているのは絶対に○○○号室だ」のような相談を受けることがあります。しかし、蓋を開けてみると「実は騒音元は違う部屋であった」「本人の気のせいであった」という結論に至ることも少なくありません。このように、思い込みが大きなトラブルに発展し得るということを覚えておきましょう。

特にSNSに関するトラブルは、一時の感情や思い込みが原因であるケースがほとんどです。ぜひ一度冷静になって「情報は確かなものなのか」「書き込みをするにあたってリスクはないか」のような視点で考えてみましょう。
第三者の視点を持って利用することが、インターネットと上手く付き合っていく秘訣なのではないでしょうか。

 

 次回も引き続き、インターネット上のトラブルを紹介します。
命に関わるところまで発展してしまうネット上の誹謗中傷とは?特にSNSをよく利用する人は要チェックです。