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- 日本の採用市場に求められる『ダイレクト・リクルーティング』という攻めの採用
インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく
※今回は、株式会社ビズリーチ 南 壮一郎・代表取締役社長へのインタビューをもとにした「志事の流儀」となります※
株式会社ビズリーチを立ち上げた当初は、私を含めて2人からのスタートでした。
労働人口の減少やグローバル展開などにより、人材獲得競争が激しさを増す近年。企業が求める人材要件も多様化しており、求職者からの応募や紹介会社からの紹介を待っているだけでは求める人材を採用することが難しくなってきました。
そこでビズリーチでは、優秀な人材を採用したい企業とビジネスパーソンを直接結びつけることで、両者の悩みを解決したいと考え、これまでヘッドハンターや人材紹介会社のみに公開していた管理職・グローバル人材のデータベースを企業にも公開いたしました。
それが、2009年に公開した「ビズリーチ」です。
そもそも私がビズリーチを立ち上げた理由は、日本の採用市場を可視化したいとの思いからでした。
ビズリーチを立ち上げる前、私は東北楽天ゴールデンイーグルスの創業に参画させていただいたのですが、球団退職後にインターネット会社に転職しようと考えていました。転職活動中には友人の勧めで、1か月で27社の人材紹介会社のヘッドハンターにお会いしました。
インターネットの力で世の中を変えることができるのであれば、大企業でなくとも良い、地方企業でもベンチャー企業でもなんでも良いという条件で探していただきました。そしてヘッドハンターに紹介される求人は、1件も同じ企業はなく、バラバラでしたが、みな一様に「南さんにぴったりの求人を持ってきました!」と仰るのです。
私はその時、大きな違和感を覚えました。日本の採用市場や既存の人材サービスを鑑みるに、求職者が本当に求めている企業を紹介してくれるのだろうか、企業が本当に求めている人材を紹介してくれるのだろうかと。
本質としては、人を探したい企業と仕事を探したい人との間の、極めてマッチングしやすいニーズであるにもかかわらず、その間に第三者が仲介することで採用市場が不透明になっていると感じました。そこから、私が当時在籍していた楽天が起こしたインターネットによる小売業界のイノベーションと同じことが、採用市場でもできるのではないかと考えました。
私は、そのイノベーションをインターネットの力を使って行いたいと思い、ビズリーチを立ち上げたのです。
日本の中小企業にこそ勧めたい『ダイレクト・リクルーティング』
現在われわれは、ビズリーチをはじめとした『ダイレクト・リクルーティング』という採用手法を推進しています。『ダイレクト・リクルーティング』とは、一言で言えば経営者や役員、採用担当者が自ら候補者を見つけ出して直接アプローチする手法で、既に海外では一般的な手法となっています。
言い換えれば、今後グローバルでの人材獲得競争に巻き込まれることが予想される日本の中小企業も例外ではなく、『ダイレクト・リクルーティング』を取り入れる必要があるということです。
既存の人材サービスに頼った採用手法は、求人を打ちだし、求職者からの応募を待つ【待ち】の手法でしたが、『ダイレクト・リクルーティング』は企業が率先して求職者に対してアプローチを行う【攻め】の手法と言えます。
例えば、ビズリーチの利用企業である新潟県のある企業は、候補者に地元をより知ってもらうために、面接後のバスツアーを企画しています。弊社のデータベースで毎朝人材の検索を行い、候補者に直接スカウトをしている企業や、東京に出向いてホテルの喫茶店で朝から晩まで面談を行っている地方企業もあります。
『ダイレクト・リクルーティング』は、持ち前のフットワークの軽さを生かせる中小企業やベンチャー企業にこそ、活用していただきたい採用手法なのです。
実際に、弊社が2014年にビズリーチ会員に行ったアンケートによると、
●「やりがいのある仕事ができるなら、前職よりも年収が下がっても構わないと考える求職者」は6割
●「やりがいのあるポジションであれば地方に転居しても良いと考えている求職者」は7割もいることが分かりました。
これは、採用市場における企業規模に伴うハンデがなくなったことを意味します。
また、昨年5月には、日本最大級の求人検索エンジン「スタンバイ」(https://jp.stanby.com/)をリリースし、企業には無料の採用プロモーションツール「スタンバイ・カンパニー」(https://stanby.co/)を公開しました。
「スタンバイ・カンパニー」は無料で簡単に魅力的な求人を作成でき、自社の採用ページとして、応募管理や運用ができるサービスです。政府から発表された「中小企業白書」では、4割近い中小企業が人材を採用できておらず、採用できていない企業の56%が、「採用コストの高さ」を理由として挙げていますが、私たちは、そのような中小企業の採用の課題を解決していきたいと考えています。
われわれは、経営者や中小企業に対して、外部サービスに採用活動を頼りきるのではなく、自分達で良い人材を探し出すんだ!という意識を持っていただきたいと考えています。そのために、『ダイレクト・リクルーティング』という今までの日本の採用市場にない新たなイノベーションを引き起こしたいのです。
<ビズリーチが提供するソリューション>
・2009年に公開した管理職・グローバル人材データベース「ビズリーチ」(https://www.bizreach.jp/)
・女性の管理職・管理職候補などのハイクラス人材を集めた「ビズリーチ・ウーマン」(https://woman.bizreach.jp/)
・若手・ポテンシャル層に特化した採用サービス「キャリアトレック」(https://www.careertrek.com)
・日本最大級の求人検索エンジン「スタンバイ」(https://jp.stanby.com/)
・無料の採用支援ツール「スタンバイ・カンパニー」(https://stanby.co/)
・新卒採用を新しい切り口で提供する「ニクリーチ2016」(https://29reach.com/2017)
各サービスの詳細について:https://bizreach.biz/
株式会社ビズリーチ 代表取締役社長・南 壮一郎(みなみ・そういちろう)
静岡県出身。6歳から13歳までカナダのトロントで過ごす。帰国後、アメリカのタフツ大学に進学し、数量経済学部・国際関係学部の両学部を卒業。
1999年にモルガン・スタンレー証券の日本支社に入社。
2002年より香港の投資会社PCCWグループの日本支社の立ち上げに参画。
2004年より東北楽天ゴールデンイーグルスの創業に参画。
2009年4月、株式会社ビズリーチを設立し、会員制転職サイト『ビズリーチ』をスタート。
2012年にビズリーチのアジア版『RegionUP』開設。
2015年に日本最大級の求人検索エンジン『スタンバイ』をスタートした。
2014年世界経済フォーラム(ダボス会議)の「Young Global Leaders」の1人に選出。