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- 【近隣トラブル】2021年に起きた、女子大生放火殺人事件
近隣トラブルは、事件になる前段階に適切な対処を行えば事件化を未然に防ぐことが可能です。
今回は近隣トラブルが原因で起きた事件、第3弾になります。
記憶にも新しい2021年4月、大阪府大東市にあるマンションの上下階で起きた女子大生放火殺人事件についてお話していきます。
【目次】
■事件の概要
2021年4月28日、大阪府大東市で起きた女子大生放火殺人事件。
当時、21歳だった被害者の女子大生がマンションの自室で遺体として発見された。事件の加害者は彼女の部屋の真下に住んでいた48歳の男性。
犯行発覚の端緒は、「お母さん助けて!」という被害者女性の悲鳴を聞いた周辺の近隣住民による110番通報。通報を受けた警察官が駆け付けた時には、マンションは大きな火に包まれていた。
後に、被害者の遺体には数十か所の刺し傷や切り傷が見つかったと報告されている。
警察の発表によれば、事件の被害者の死因は失血死。
加害者が、被害者の後頭部を殴り、動けなくなったところを槍のようなもので執拗に刺したことによるものと考えられる。
手製の凶器と思われるモノが、ベッドの上に整然と置かれており、犯行前に同じものが近くのホームセンターで買われていた履歴も確認されている。また、玄関の外側にはストッパーを掛け、被害者が外に出られないように細工をしていた。
加害者ははしごを使い被害者の部屋に侵入した。そして殺害後、真下にある自分の部屋へ侵入時と同じようにはしごで戻り、用意していた灯油を自室内へまいて火を着け、死亡した。死因は急性一酸化炭素中毒とみられている。
■殺人に至った背景とは
事件の被害者と加害者の直接的な接点は、本人のスマホの確認や聞き込み調査をするなどしたものの見つからず。また加害者も死亡していることから、事件の動機は明らかになっていない。
しかし動機に至った可能性のあるものとして、「音」が殺人事件にまで発展させてしまったのではないかという見方がある。
というのも事件後に加害者の親族から、同人についての「ここ5年程、生活音に敏感になっていた」という証言があったのだ。
それを裏付けるように、事件直前に加害者の隣に住んでいた男性は「大きな音も立てていないのに、夜中から朝にかけて複数回、玄関ドアや壁を何度も叩かれた」と証言している。この男性は恐怖を感じ、事件前に引っ越していたという。
加害者は、事件が起きたマンション以前の居住先で、「隣人に見られている」と日記に記していたことが分かっている。また加害者が夜中に奇声を上げていたなどの近隣トラブルがあったという証言が、マンション住人から出ていたという。
■推測
事件後、SNS上では被害者女性が連日パーティーを開催していたことから生まれる近隣トラブルが原因である、という話も出たが、誤報であった可能性が高い。
というのも、「たまに友人を呼んでいて、話し声が聞こえてきたことはありましたが、騒音というほどでは無かった」という話が近隣住民から出ている。
マンションの構造も鉄骨造であるため音は通りやすいが、事件以前のマンションでの言動からも加害者は音に過敏に反応をしていた可能性がある。
新潟青陵大学大学院の碓井教授(犯罪心理学)によると、「心のバランスを崩してしまった人の場合、些細な音でも過敏に感じてしまい、あたかも自分を嫌がらせるためにうるさくしていると被害妄想を抱くこともあります。何らかの理由で精神的に深く追い詰められていると、目の前の嫌なことから逃れられれば後はどうなっても良いという心情に至り、中には極端な行動に出てしまう人もいます。」とコメントしている。
加害者自身も長きに渡り悩んだ結果、本人の中で溜まっていたものが溢れだしてしまった結果が生んだ、事件の可能性がある。
■まとめ
2021年に起きた殺人事件という事もあり、覚えている人も多いかと思います。
今回は被害者、加害者ともに死亡しているため、明らかになっていることが少ない中でのお話になりました。
現代は近隣に誰が住んでいるのか、どんな人なのかまで知ることは難しくなっています。
また、生活環境・ストレス状況など、人によって心のバランスが崩れてしまうタイミングも理由も様々です。
自分がいつ近隣トラブルの当事者、そして事件の被害者、もしくは加害者になるかは誰にもわかりません。
そのため、不安に感じたとき、近隣トラブルのことで少し気になることがあるときなど、相談がいつでもできる第三者の存在が社会には必要となってくるのです。
■株式会社ヴァンガードスミス
【事業内容】トラブル解決支援事業
【提供サービス】近隣トラブル解決支援サービス「Pサポ」「mamorocca(マモロッカ)」